白い月〜destiny〜
「ちょっ…離してください!」

必死になって酔っ払いの手を振り払おうとするが 全く離してくれない。

「なんでよ~いいじゃないの。奢ってあげるからさ~。ね!1軒だけ!」

今度は頼み込むような口調になり私の右腕まで掴んできた。


もうやだ!駅員さんはいないの?

ホームに残るまばらな人達は皆 我関せずを決め込んでいる。


どうすればいいかわからず泣き出しそうになるのをこらえていると いきなり誰かに肩を抱かれた。
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