白い月〜destiny〜
「マユ!どこに行ったかと心配したじゃないか。さあ 帰ろう。」


マユ!?

それって私のことを言ってるの?


訳がわからないまま 私はその声の主に連れられてその場を離れた。

階段を降りながら振り返ると さっきの酔っ払いが悔しそうにコンクリートの柱を蹴飛ばしている。


「まだ。このままもう少し歩いてください。」

その人が小声で話すのを聞いて私はやっと理解した。


ああ…助けてくれたんだ。


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