白い月〜destiny〜
大きな拍手の中 コンサートは無事に終了した。


晴香はこれから後片付けや打ち上げパーティーがあるので 私達は楽屋に寄らず帰ることにした。

会場の外に出ると ぐんと気温が下がって寒かった。

涼太が優に言った。

「美月の事ちゃんと駅まで送ってけよ。もし またどっかのオヤジにからまれたりしたらお前のせいだからな。」

「えっ…宮川 お前は一緒に帰らないのか?」

「俺はこれからちょっとな。」

「ちょっとな…って。どこ行くんだよ。」


「聞くな。野暮用だ。」

そう言って笑うと 後ろ向きのまま 軽く手を上げて行ってしまった。

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