ハツカレ ノ カオリ
パンドラの箱


「あ!実莉具合もぅいいの?」


「うん~。
とりあえず午前中、病院行って薬貰ってきたぁ。
熱も下がってるし。」



お昼休みの教室

ヨタヨタと席に向って荷物を降ろすなり、なぉが心配そうに私をみあげている。



「せっかくだから休んどけば良かったのに…。
ムリしてきて、ぶり返したら大変だよ。」


「おかーさんが、熱ないなら行けってうるさくて…。」



…。



なぉは"そっかぁっ"て言ったけど、ホントはおかーさんが言ったからじゃない。



だって



今日は記念日だもん。



高島君と初めての記念日。





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