ハツカレ ノ カオリ


その日暫くベットの中で泣いていた。


土曜日の部活は午後からで、めいいっぱい腫れた目を冷やして行ったけど、腫れが引ききらなくて

"何があったの?"

ってなぉが心配してた。



身が全く入らなかった部活の帰り道。



なぉに昨日の高島君との電話の様子を話した。
内容を聞いたなぉは、少し悩んで呟く。


「う~ん…。
そっかぁ…。
何だろうね。」


「うん…。」


「……。」



私も、一言頷く。
そして沈黙。


暫く歩いて駅が近くなった頃、なぉがゆっくり話だした。


「でもさぁ、あるよ。
そうゆう時。
別に何が嫌とかじゃなくて、何か距離をおきたい時っていうの…。
きっとそうゆう時期なんじゃない?
一ヵ月経ったし…。
お互いに好きになって、最初はウキウキしてさ、気持ちが落ち着いて来るみたいなさ?」


「落ち着いて来る?」



私が聞くとなぉは何かを思い出すように言う。





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