ハツカレ ノ カオリ
近く無いはずの駅までの道が、やけに近く感じた。
もぅ、今日が終わっちゃう。すごく楽しかった。
切ないな…。
私きっと高島君の事、もう好きになっていってる。
高島君は、私の事どう思っただろう。
そんな事を考えているうちに、駅についた。
改札口まで見送ってくれた高島君に、淋しい気持ちを押さえて、笑顔でお礼の気持ちを伝える。
「今日はありがとう。楽しかった。結局ご飯までご馳走になっちゃって…ごちそうさまでした。」
「いいよ。俺が誘ったし、バイトもしてるし。
遅くまで悪かったな。気をつけろよ?」
そう言って笑う。
「じゃあ…行くね。」
そう言って、改札口を抜けてホームに下りた。
ふとロータリーを見ると、高島君が手を振っていた。
私も、手を振る。
すぐに電車が来て、高島君の姿が見えなくなっる。
電車の中も混んでいて、反対の窓際まで行けなかった。
電車が動き出す。
終わっちゃった…。
でもまた、月曜日学校で会えるし、メールだってある。
初めてこんなに月曜日が待遠しいと思った。