ハツカレ ノ カオリ


部活が終って、校門まで行くと高島君が待っていた。



歩達より、早く出て来て良かった。

きっと一緒にいる所を見たら、嫌だと思うし。



ドキドキするよりホッとする方が大きかった。



「どうする?
ってゆうか、ウチこない?
前に見たいって言ってた、小学校の卒業アルバム発掘したから。」



「ホント?見たい!」



私は思わず、アルバムに反応する。
私は小学校の半分以上を過ごした、みんなが写っているアルバムを見ていなかった。

見たいなって言ったの覚えくれてたんだ。



…って、家!?


ちょっと待って。
高島君の家に行くの?


いいのかなぁ。
お家の人も、休みでいるんじゃないの?
彼女でもないのに、ノコノコ上がり込んでいいのかなぁ。
急に色んな事がよぎった私は、慌てて聞いてみる。



「でも、家いきなりだし、大丈夫なの?」


「ん?大丈夫。父さんさんは仕事だし。
嫌なら止めとく?」



―嫌!?

そんな訳ない。

しかも 止めとく? って
そんな淋しそうな顔で言わないでよ…。


それに高島君の部屋見てみたいし。

私は意を決して答えた。



「高島君がいぃなら行く。」



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