ハツカレ ノ カオリ
電車の中。
今日は空いている。
私はマフラーから薫ってくる高島の香りに
顔を埋める。
夢みたい…。
夢じゃないよね?
明日目が覚めて夢だったなんてないよね?
ふと、唇の感触が蘇る。
生まれてはじめて
男の子の部屋に行って
キスして
抱き締められた
忘れてしまわない様に、感触を心に焼付ける。
もっとずっと
一緒にいれたらいぃのにな。
そんな私の思いも乗せて、電車は進んで行った。