乙女の期限 ~恋、してますか~


しばらく空を見上げた稔さんは、思いついたように口を開く。


「じゃあ、今度お茶でもしませんか?バレンタインのお返しをするのって、3月でしたなぁ?じゃあ、その日に2人でデートっちゅうことで」



稔さんの口から『デート』なんて言葉が出たことに驚いた。


実は稔さんは、私が知ってるよりもずっとお茶目な人なんかも知れん。



「はい!!じゃあ、楽しみにしてます。お茶しましょう」



「約束な。じゃあ、帰って、美知さんのチョコ頂きますわ」




じゃあまたと歩き出そうとした時、稔さんに呼び止められた。




「美知さん、ほんまにありがとう。こんなにドキドキするのは何年ぶりやろなぁ」



「私もです。稔さんに喜んでもらえて、ほんまに嬉しい」



稔さんは、片手を軽く上げて、背を向けて歩き出した。


かっこええ背中・・・





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