乙女の期限 ~恋、してますか~
「稔さん、この後お茶でもどうです?」
花ちゃんが稔さんに声をかけた。
稔さんはスティックを丁寧に磨きながら、照れ臭そうに言うんや。
「すまんな。今日は、遠慮しときますわ」
断られた花ちゃんの恋心はますます大きくなる。
稔さんのああいう真面目なところがええわって言いながら、渋々山さんとお茶飲みに行くことにしたみたいや。
何をほっとしとるんや。
誰が誰を好きになっても自由やし、稔さんが誰とお茶してもいいんやけど・・・
何や知らんけど、稔さんが他の人とお茶してるとこは見たくないって思うんや。
こんな気持ち・・・
誰にも言えん。
こんなおばあちゃんが恋なんて・・・
あほみたいやって笑われる。