【企】ひびき

「・・・え・・・?」


 振り向いたその人の顔は、とてもびっくりしていた。


 
 と、同時にあたしも我に返った。



 え・・・ってか、あたし何言ってんの!?

 待ってください・・・って何も用事ないのに・・・!


 すみません・・・と言おうとした時だった。



 その人はあたしに向かってにこっと微笑んでから、女の子に向かって


「ごめん、実花!先行ってて!」

 
 と叫んだ。


「えー?お兄ちゃん、ナンパでもするつもり~?」


 ・・・おにい・・・ちゃん?


「るっせ、バカ!ニヤけてんじゃねぇよ!」


 ・・・頭が追いつかない。


 バスが行ったのを確認してからその人の方を見ると、顔を真っ赤にしながら


「ごめん・・・うるさい妹で。」


 と小さい声でしゃべった。


「・・・妹・・・だったんだ。」

「え?」

「・・・ううん、何でもないんです。」


 ・・・今なら言える気がする。

 ずっと、好きでした・・・って。


「「あの・・・」」


 






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