君だけに夢をもう一度
正和は、中学生で野球への挫折を経験した。
そして、野球は中学生で辞めることにした。

夏休みになって、正和は野球部を引退した。
他の三年生部員も、引退するのだが、中には特待で進学する高校が決まっている部員も何人かいる。

正和は、そんな部員とは違い、夏休みは進学する高校を決めて、受験勉強をしなければならない時期である。
しかし、高校に行って野球をしないことを決めると、どこの学校に進学していいのか目標も見つからず夏休みを過ごしていた。

学習塾へ行く友人を横目に、正和は、家でだらしない生活をしていた。
そんな息子を見かねて、両親が勉強するように口うるさく言う毎日だった。

そんな、夏の午後。
正和が蒸し暑い部屋で寝ていると、姉の彼氏が部屋に入ってきた。
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