君だけに夢をもう一度
7月28日。
コンサート当日。

正和は、姉と二人で満員の臨時バスに乗って、海の中道海浜公園広場へとやって来た。
バスを降りると、海が近いため、どこからか潮の匂いがしてくる。

姉と一緒に案内板を見て、人の流れのまま歩いてゆくと会場入場口に着いた。
開演まで一時間前、かなりの列で人が並んでいた。

姉が飲み物を買いにいく間、ひとり列に並んだ。

自分が並んでいる前は女子大生風の二人だった。
聞き慣れない方言が聞こえてくる。
よく聞いてみると、、関西弁で話している。
話しの内容から、京都から来たらしい。
関西から、コンサートを聞きにくるなんて、サザンは人気があることを知る。

姉が戻ってくると カップ入りのコーラを差し出した。

この日は、曇りの天気だったが 日中でも30度以上温度が上がった暑い日だった。

正和は、コーラをひと口飲みと、喉に炭酸がしみこんでくる。
熱い体を冷やす感じがした。

入場口近くになると、姉がチケットを渡してくれた。

正和が、あらためてチケットを見ると、『熱帯絶命ツァー夏 出席取ります』と、タイトルだった。

正和は、変なタイトルだなと思いながら、再びコーラを飲んだ。


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