君だけに夢をもう一度
竹中の自宅は一軒家だった。
竹中は、正和を自宅横の倉庫に案内した。
倉庫はコンクリート作りだった。

中に入って間接照明をつけると、ドラム、ベース、ギターと、今からでも演奏できるように楽器が置いてある。

「すごい! 」と、正和は驚きの一言を発した。

その楽器は、竹中の父親が使用するものだった。
父親はバンドを組んでいる。
そのため、この場所で練習していることを説明された。

ビトールズのコピーを演奏しているため、壁には、ビートルズのポスターがいっぱい貼ってあった。
竹中が、アンプに赤いエレキギターを差し込んで音をだした。
アンプから大きな音が響きてくる。

竹中が、レスポールタイプだとギターの種類を説明した。
それから、竹中は、サザンの『気分しだいて責めないで』のイントロ部分をギターで弾いてみせた。

「すごい!! 」
今度は、竹中の演奏に驚いた。
そして、格好良く見えた。

「ずっと、やっているからね・・・・・・」
竹中が自慢気に言った。

竹中は、父親の影響で楽器を演奏することが好きになったらしい。
よく、この倉庫でギターの練習をしている。

「良かったら、弾いてみるかい?」
竹中がギターを正和に差し出した。

「えっ! いいの? 」
と、言って、正和は興味深くギターを手にした。


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