君だけに夢をもう一度
だが、勉強していない正和にとって、その商業高校を受験できる学力はなかった。
そのため、親に頼んで、学習塾に行かせてもらうようにした。
両親は、やっと勉強をしてくれる我が子を見て泣いて喜んだ。

それからの正和は、人が変わったように勉強をした。
学校から、学習塾に行って、帰宅して夜遅くまで勉強する。
そんな生活を半年間続けた。

時折、くじけそうになる。
そんな時、サザンの『Dear John 』を聞く。
そのたびに野球では、ダメだった自分の悔しさを思い出す。
すると、高校に行って音楽をする。
そして、女性にモテる。
単純な動機ではあるが、正和には、それが勉強するうえの活力になる。

そんな努力もあり、見事に希望の高校に合格できた。

正和は、両親から入学祝いでエレキギターを買ってもらった。

ギターは、桑田が使用していたストラトキャスタータイプだった。


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