君だけに夢をもう一度
審査会場に入ると、テーブルに三人の審査委員が座っている。
どうやら、プロの音楽関係者のようだった。

正和は、ギターを会場内にあるアンプにつないで演奏を始める。
歌う曲名はサザンの『Dear John 』だった。

歌い始めると、緊張感もなくなり普段どおりに歌えた。
自分では、かなり上手く歌えたと思えた。

歌い終えた正和に審査員がコメントを述べる。

「君の歌は、歌っているだけで、聞き手に何も伝わってこない」
厳しい表情でコメントされた。
結果は不合格だった。


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