君だけに夢をもう一度
それ以来、正和は音楽について真面目に考えるようになった。
今までやってきた音楽は、単なるお遊びのようなものだと気づく。

審査員の言った『聞き手に何も伝わってこない』の言葉には、サザンのコンサートで泣いたような歌が、自分の歌にはないことを知る。

正和は、もっと真剣に音楽をやりたい気持ちになった。
正和は進学することを決めた。
それも東京の大学に行こうと思った。

東京には、さまざまな人間がいる。
その分、いろいろな音楽をやっている人間にも出会えると思ったからだ。
いろんな人間がやっている音楽を聞いてみよう。
そこで自分は本物の音楽をやろうと思った。

東京の大学を何校か受験した。
中学三年の頃のように猛勉強をした結果、何校か受かった。
その中に青山学院大学があった。

竹中が、『サザンの聖地、青学に行け!』と激励した。

竹中は、高校卒業後、家業を継ぐため、今までのように音楽が出来なくなる。
自分の分まで音楽をやって欲しいと言った。
そんな竹中の分まで、音楽をやろうと青山学院大学へ進学した。
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