君だけに夢をもう一度
後編

愛する女性(ひと）とのすれ違い

「ねぇ、赤ワイン飲める？」
敦子が、テーブルに着くなり正和に尋ねた。

「飲めるけど・・・・・・」
敦子と差し向かえに座った正和が答えた。

二人は、文京区の市ヶ谷駅近くにある洋食レストランで夕食をすることにした。

レンガ作りでヨーロッパの大衆酒場をイメージしたレストランだった。

敦子は、常連客で席に着くなり、店員がワインリストを差し出した。

「じゃ、アレニャの赤で」
敦子が店員にワインを頼んだ後、料理メニューに目を通した。

「ねぇ、何か食べたいものある？　」
メニュー表を手にしている正和に敦子が尋ねた。

「よくわからないから、任せるよ」
正和が答えると、
「わかった。じゃ・・・」
と、敦子は淡々と料理を頼んだ。
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表紙・目次

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