君だけに夢をもう一度
「あの・・・・・・」
敦子が正和の顔を見つめた。

「何? 」
「さっき演奏していた曲、サザンの曲ですよね」
「そうだけど」
「ちょっとだけ、シンセサイザー弾かせていただけませんか?」
敦子が頼むように言った。

「いいけど・・・・・・」
正和が答えると、敦子は嬉しいそうにシンセサイザーの前に立った。

敦子が、サザンの『愛する女性(ひと)とのすれ違い』の前奏をシンセサイザーで弾いた。
正和が敦子の演奏を聞いて、かなり鍵盤楽器を弾きこんでいることを感じた。

「君、この曲を弾けるの? 」
「はい」
正和の問いかけに、敦子も素直を答えた。

「歌えますか? 」
今度は敦子が尋ねてきた。

「あぁ、歌えるけど・・・・・・」
「良かったら、歌ってくれませんんか? 」

唐突の注文に、正和は敦子のことを変わった女性だと思った。
しかし、敦子の演奏の腕を少し聞いてみたい気持ちがあったため、歌うことにした。

「じゃ、ワンコラースだけ。僕は君の演奏に合わせてギターを弾きながら歌うから、よろしく」
敦子の演奏が始まり、正和がエレキギターを弾きながら歌い始めた。

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