君だけに夢をもう一度
「何にする? 」
敦子が飲み物を聞いた。

「じゃ、角の水割り出来ますか? 」
正和がバーテンダーに尋ねた。

「はい、お作りできます」

「じゃ、ダブルで御願いします」
「懐かしいもの飲むのね。じゃ、私はカルアミルクでお願い」

「かしこまりました」
バーテンダーが笑顔で答えた。

二人が頼んだ飲み物は、よくこの店で飲んでいたものだった。

バーテンダーが二人に飲み物を作って差し出した。

正和は、吸いかけの煙草を灰皿にもみ消して、タンブラーグラスを手にした。

敦子がロンググラスのカルアミルクを手にした。

二人が乾杯して、それぞれの飲み物を一口飲んだ。

正和は、久々に角の水割りを飲んだ。
懐かしい味がした。
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