君だけに夢をもう一度
サザンと聞いて、再び千賀子がバックの中で何かを探し始めた。

千賀子がバックからCDケースを取り出し、有線の音楽を止めた。

そして、カウンターの隅に置いてあるCDラジカセにCDをセットして選曲をすると、サザンの『慕情』が流れてきた。

「この曲は、お二人にとっては思い出の歌なんですか? 」
千賀子がノートを見て確認するように尋ねた。

「そうだね・・・・・・」
正和が答えた。

この曲は、マスターがサザンの歌の中でお気に入りの歌だった。
正和と敦子が飲みに来ると、サザンファンの二人のために、かならずこの曲を聞かせてくれた。

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