君だけに夢をもう一度
正和がノートを手にすると、敦子が覗きこむようにして見た。
ノートには、店の常連客のことを書いてあった。
いつ頃からのつき合いで、名前、好きな飲み物、すきな音楽のジャンルまで、事細かく記入されている。
「生前、父が病室でこのノートを書いていました。そして、ある日、私を呼んで、こう言ったんです」
「・・・・・・」
「もし、ずっと、俺の店をやってくれる気持ちがあるなら、これを渡しておきたい。俺の客が訪ねてきたら頼む。そう言って、このノートを私にくれました」
「・・・・・・」
「たぶん、その時、もうそんなに長くは生きられないと自分でもわかっていたんじゃないかと思うんです」
千賀子は、父の面影を懐かしく思うように話した。
ノートには、店の常連客のことを書いてあった。
いつ頃からのつき合いで、名前、好きな飲み物、すきな音楽のジャンルまで、事細かく記入されている。
「生前、父が病室でこのノートを書いていました。そして、ある日、私を呼んで、こう言ったんです」
「・・・・・・」
「もし、ずっと、俺の店をやってくれる気持ちがあるなら、これを渡しておきたい。俺の客が訪ねてきたら頼む。そう言って、このノートを私にくれました」
「・・・・・・」
「たぶん、その時、もうそんなに長くは生きられないと自分でもわかっていたんじゃないかと思うんです」
千賀子は、父の面影を懐かしく思うように話した。