〈企〉キス、キス、キス
「あっくん!!!!」


階段から降りようとするあっくんを、

私は自分の部屋の前から呼び止めた。


「椎菜ちゃん」


そして、

私の名前が返ってくる。


「あっくん、送っていくよ!!」

「いや、男が女の子に送ってもらうのも

どうかと思うからさ……、


平気だよ?

そんな心配そうな顔しなくて」



あっくん違うよ。

私が眉をしかめちゃうのは


あっくんが心配だからじゃない。


あっくんが私の誘いを断ったからだよ。
< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop