〈企〉キス、キス、キス
私ももう少し足長ければな~……。

そうすれば3つ年上のあっくんにもきっと距離感じなかったと思うのに……。


「ここまで送ってもらえれば十分だよ」


あっくんが足を止めて振り返る。


……あっくんはそう思っても私は最後の一歩まであっくんと一緒にいたいんだもん…。

私はあっくんに向って走った。


「あっくん……」

「もうここまででいいって…」

「あっく」

「俺の前で笑わないでよ」

「あっく…」

「じゃないと……駄目なんだよ」

「あっくん?」


はっきり言って

あっくんのこんな顔初めてみた。


笑ってるけど、

今目の前にある笑顔は心から笑えてる笑みじゃなくて、無理して笑っているような笑みだった。
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