Pure*Love―透明人間が恋をした―
姫君
「姫様!どこに行っておられたのですか!!大変な騒ぎですぞ!!」
「ごめんなさい…。」
小汚いストールを頭から外し、ローズは謝った。
「まぁまぁまぁアルフレッド!
さ、姫様。早く注射を。」
ばあやはローズを椅子に座らせ、医師を手招きする。
「どうして貴女様はそんなにも、クリスタルになるのが嫌なのですかな?」
じいやが、透明液を流し込まれているローズに、嫌味半分で問うた。
しかしローズは俯くばかりで、何も答えようとはしなかった。