Pure*Love―透明人間が恋をした―
その街は、人間の侵入を許さない。
入ることを許されるのは、透明な心を持つ幼い子どもだけだ。
その子どもが大人に「透明人間が居たよ」と話す。
大人は、子どもの戯言だと聞き入れない。
そんな経験を繰り返す内、子どもの心は透明でなくなる。
そうなると、透明人間の街へは二度と踏み入れることを許されない。
そうして、透明人間の街は幻となって彼らの記憶から消えていくのだ。
それでいい。
そうでなければならない。
透明人間の街が、透明であり続ける為に…。