アナタに届け~私の歌声~
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「それで…話って?」

「あっあぁ…」
私と悠の間に
微妙な空気が
流れる…
最初に口を
開いたのは
悠だった…
「なぁ…引っ越すって
本当か……?」
えっ…なんで……
なんで悠が知ってるの…?
先生達以外知らない
はず………

「なっ…んで……
知ってるの……」

「ごめん…俺…
ここの理事長の弟
なんだ……」

「うっ…そ…」
そんな…

「ごめん…俺…
最低だな…美歌が
人に知られるの
いやがってる事
知っといて……
マジごめん……」
ゆっ…う…

フッッ
「いいよ。」

「えっ…?」

「悠だったらいい。
悠は秘密守って
くれるでしょ?」
悠…悠はいい
人だから
人に言触らさない
事知ってる。
私…悠の事
信じてるもん。

「ごめんな…美歌…
絶対言わないから…
約束する…お詫びって
いっちゃぁ何だけど
引越しの準備
手伝わせてくれない
かな……?」

「えっ…悪いよ~!」

「お願い!」

「うん…いいよ」
私は悠の頼みを
承知してしまった。
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