彼と彼女の方程式

はぁ…。

溜め息を吐いて、湊のつむじを見つめていた。




ちっちゃい頭だなぁ。




「…だったら、問題ないって。」



『…はっ?』



見つめていたつむじが、湊の顔に変わった。








「…俺、遥の事好きだし。」


















湊の言葉が頭の中でぐるぐるしてる。




『っ…!!はぁ?!!』



「…遅っ!!」



クスクス笑う湊をあたしは真っ赤な顔で睨んだ。




『もぅ…。からかうのやめてよ。』



湊から目を反らし、フェンスに手をかける。



「…よっ、と。」



…ドキッ。


湊が立ち上がるのが、雰囲気でわかった。



――カシャン…。



チラッと横を見るとフェンスに寄りかかって俯いてる湊がいた。



なんか直視できなくて、すぐに視線を戻した。



…何?
なんなの?



心臓がおかしい。



湊の視線を感じるけど、見れない。


< 11 / 54 >

この作品をシェア

pagetop