彼と彼女の方程式
はぁ…。
溜め息を吐いて、湊のつむじを見つめていた。
ちっちゃい頭だなぁ。
「…だったら、問題ないって。」
『…はっ?』
見つめていたつむじが、湊の顔に変わった。
「…俺、遥の事好きだし。」
好
き
?
湊の言葉が頭の中でぐるぐるしてる。
『っ…!!はぁ?!!』
「…遅っ!!」
クスクス笑う湊をあたしは真っ赤な顔で睨んだ。
『もぅ…。からかうのやめてよ。』
湊から目を反らし、フェンスに手をかける。
「…よっ、と。」
…ドキッ。
湊が立ち上がるのが、雰囲気でわかった。
――カシャン…。
チラッと横を見るとフェンスに寄りかかって俯いてる湊がいた。
なんか直視できなくて、すぐに視線を戻した。
…何?
なんなの?
心臓がおかしい。
湊の視線を感じるけど、見れない。