彼と彼女の方程式

『…み〜な〜と〜!!あんたねぇ…』




文句を言おうとしたら、スッと湊の手が出た。



……?



『…なに?』


「握手!!」


『…へっ?』


なんで?


不思議に思いながらも、おずおずと手を出した。



――ぎゅっ…。



ドキッ…。





「じゃあ、よろしくな。今日から。」 



ニコッと白い歯を見せて笑った。




『えっ…?
さっきの冗談じゃなかったの?』



きょとんとした顔で首を傾げた。



「なんで冗談?」



真顔で眉を寄せてあたしを睨むと湊の握った手に力が入った。



『あっ、いや…。』




また頬が赤く染まる。




もうっ…。
訳わかんないっ!!




言い返さないあたしを見て握っていた手を緩めた。



「じゃあ、また帰りに迎えに行くから。」



ポンッとあたしの頭を叩き湊は屋上から去っていった。





『………なんなのよ…。』



1人取り残された屋上で呟いた。







――――――――
―――――
――……


こうして、あたしと湊の妙な付き合いが始まった。

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