彼と彼女の方程式
2
教室に戻ったあたしは疲れを隠せずに脱力して机に突っ伏した。
『疲れた…。』
なんなの…?一体……。
湊がよくわからない……。
「あっ、遥。お帰り〜!」
頭の上から聞こえた聞き慣れた声に少しだけ顔を上げた。
『…彩那…。』
ニコニコしてあたしの机に近づくと頬杖をついた。
「…なんだったの?」
『…何が?』
本当は彩那が言いたい事はわかってた。
けど…、ニヤニヤとした顔を見せられて素直に答える程、今のあたしは優しくない。
「…何がって、わかってるくせに…。
逢澤君よ、あ・い・ざ・わくん。何の話だったの?」
『…別に……。』
いいじゃん…なんだって。
ってか、言いづらいし…。
あたし自身がまだ理解出来てないし…。
「…彼女と別れたんでしょ?」