彼と彼女の方程式
【彼女と別れた。】
あっさり。
サラッとそう言うコイツ。
逢沢 湊(アイザワ ミナト)
一年の時に隣の席になって、何故か意気投合して…なんだかんだで三年になった今でも付き合いがある。
男女の友情なんてないって言う人もいるけど、あたしはそうは思わない。
だって、実際に湊とは友情が成り立ってるし。
女友達とはまた違う居心地の良さがある。
気を遣わなくいいから楽。
『今回は違うんじゃなかったの?』
卵焼きは諦めて違うオカズに箸をつける。
「う〜ん。違うと思ったんだけどさ…。」
『…けど?』
首を傾げながら、ベーコンのアスパラ巻きを口に運ぶ。
うんっ、おいしい!
「……」
隣で方膝を立て、その上に肘を乗せて頬杖をついている湊を見る。
少し長めの前髪を掻き上げあたしを見つめた。
『…何よ?』
「お前、俺の話、聞く気ねぇだろ…。」