彼と彼女の方程式
『ん〜?……そんな事ないよ〜。』
聞く気がない訳じゃない、けど…
『…ただ、さ。毎回、同じ理由なんだもん。
違う事だったら聞いてあげるよ〜。』
ニコッと笑って、あたしは一口残ったご飯を口に入れた。
「…すいませんねぇ、学習能力がなくて。」
そう呟くと立ち上がり、またフェンスに寄りかかった。
『…そんな事言ってないじゃん。
……で?』
あたしもお弁当箱を片付けて湊の隣に移動し、フェンス越しに運動場を眺めた。
「…最初はホントに良かったんだよ。けど、さ…急にこっちの都合を考えないで毎日会いたいとか言い出すし…」
『…うん、うん。』
頷きながら湊の横顔を見る。
綺麗な顔だよなぁ…。
湊はモテる。
そして、何故か厄介な女に好かれる事が多い。
「…クラスの女と話してると怒りだすし。挙げ句、人の携帯、勝手に見ようとする。」
『あら、まぁ…。う〜ん。それは、ちょっと、嫌だなぁ…』
湊の付き合う子はこんな感じの子が多い。