彼と彼女の方程式


結局、湊は追いかけて来てはくれなかった。



わかってたけど…。




その日の夜に届いたメールには【ごめん】と【大丈夫だった?】の文字が並んでいた。




あたしはただ画面を見つめて【おやすみ】の一言だけ送って布団に潜った。




湊のあの照れたような顔が頭から離れない。




あたしも見た事のない顔。



明里さんの前では簡単に見せるんだ。



もしかしたら今まで見ていた湊はほんの一部でしかなくて、ホントの湊の事なんて実は何にも知らないのかも…。




そんな事を思って勝手にショックを受けてる。



あぁ…。



あたし本当にどうしちゃったんだろう…。



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