彼と彼女の方程式





『…眠い……。』



はぁ…。




昨日は目が冴えて全く眠れなかった。



自分の机に突っ伏して瞼を閉じる。




その時…


「遥!!おっはよ〜!!」




………。



ゆっくり顔を上げると満面の笑みであたしを見ている。



『…彩那…。朝からテンション高過ぎ。』



「そう言う遥は低く過ぎ〜!!」



ぷにっとあたしの頬をつつく。



『……』


返す元気もない…。



「…遥、行こ!!」


ぐいっとあたしの手を引き教室を出る。


『はっ!!?…っ、ちょっと、行くって…?』



引っ張られてよろよろしながら付いていくしか出来ない。



「話、聞くから。話しなさいよね!!」



さらっとそう言う彩那に不覚にもちょっと感動してしまった。



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