彼と彼女の方程式
『湊!!』
今出来る精一杯の明るい声。
「…なに?」
……ってそれ、こっちのセリフ!!
なに?
なんでそんな不機嫌?
…怒ってる?
『…み、湊?なんか…ご機嫌斜め?』
おずおずと様子を伺うように湊を見上げた。
「…」
一度、私を見てすぐにプイッと空の方に向き直ってしまった。
『…っ!!』
……なんで〜!!!
「…メール。なにあれ…。しかも返さねぇし。」
『はぁ?……っ!!』
私の声に更にイラッとしたのか、湊の鋭い瞳が突き刺さる。
怖っ!!
って…。
メールぅ?
あっ、昨日の夜の…。
『…あ、あれは、その…。ごめん。
でも、ちゃんと返したはず…。』
冷たい返事だったかもしれないけど、ちゃんと返した。
【返さねぇ】って…何の事?