彼と彼女の方程式
こんなに良いお天気なのにここだけどうして暗いんだろう?
左側に突き刺すような視線を感じる。
『…ご、ごめん。』
湊の顔を見るのが怖くて俯いて謝る。
「…ぷっ、もういいよ。」
えっ?
湊の優しい声と笑い声に顔を上げると真っ直ぐにあたしを見つめる綺麗な瞳があった。
ドクン…。
…ッ!!
顔が暑くなるのがわかってすぐに顔を反らした。
あんなの反則だ!!
「…おい、なんだよ。その態度。」
『うっ、うるさいっ!!』
不機嫌な湊の声がするけどそんなの知らない。
今はこの動悸をなんとかしなきゃ…。
「ふ〜ん。…わかった。許そうと思ったけどやめた。」
…やめた?
『…えっ?』
振り向いたそこには…綺麗な悪魔の笑顔があった。