彼と彼女の方程式


人が真面目に話してたのに…この男。



最っ低…!!




「あっ、ごめん、ごめん。…許して。…なっ?」



機嫌が悪くなったあたしを察して、上目使いで両手を合わせて謝ってきた。




……ったく。調子いい奴。


たぶん、この仕草にやられる女の子は多いんだろうなぁ……。




自覚があるのか、ないのか…タチが悪い。



あたしにまでやらなくてもいいのに……。




『…悪いと思ってないでしょ?』



「…へっ?
…あぁ。まぁ、ね。」



まぁ、ね。って!!?


おいっ。





湊はあたしの顔を見て、へへっ、と悪戯っ子みたいに笑う。





『…はぁ、もういいよ。』


なんか、憎めないからズルイんだよね…。



「サンキュ。
…それ、でさ……。」



『…ん?何?』



「さっきの…」



……?



あたしは首を傾げて湊の言葉を待った。


< 7 / 54 >

この作品をシェア

pagetop