届かない世界
独特な臭い
白いベット…



気がつけば私は病院にいた。


「由美!」


お母さんが涙を流しながら私の手を握る…


「はなして!」

私はお母さんの手を振り払った。


「由美!?」
お母さんはびっくりした様子。



「やだ…やだよぅ…良太の所へ行かせてよ…良太に逢いたいよぅ!!」
私は看護婦さんにしがみつく。
「ねぇ…なんで私を助けたの?死なせてよ…良太の世界に行かせて!」

涙が止まらない。


その時看護婦さんの口が開いた。
「由美ちゃん…由美ちゃんは生きるのよ。死ぬなんて…良太君はそんなことのぞんでないわ…」




『由美…生きろ…』
良太の言葉が頭に過ぎる…
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