アンバランスな恋心
迎えに来なくていいって
言ったもの

私は悪くないわ

突然
彼女をつれて帰ってきた
光ちゃんがいけないのよ

「馬鹿にしてないわ」

「なら、僕になら
何をしても怒られないって
思ってるでしょ?」

「怒られるようなこと
私はしてないわ」

「本気で言ってる?」

光ちゃんの声が
一段と低くなった

私の心が震えた

こんなに低い声の
光ちゃんを私は知らない

どうして?
なんで?

光ちゃんには
彼女がいるはずよ

私が何をしようと
関係ないじゃない

どうして
光ちゃんは怒っているの?

「僕が何も知らないと
思ってる?」

「スーちゃんが全部
話してるんでしょ?」

「そうだよ
だからマコ姉が何をしてるか
知ってる」

「知らないわ
見てないくせに

私の本心なんか
誰にもわからない

光ちゃんはさっさと
恋人のところに
行きなさいよ!」

光ちゃんが
体の向きを変えると
私の頬を叩いた

すごい鋭い目で
私を睨んでいた
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