アンバランスな恋心
光ちゃんがほほ笑んだ

「どう言って欲しい?
僕にどんな言葉を期待しているの?」

光ちゃんが落ち着いた声で
口を開く

長い足を組むんで
小悪魔みたいな笑みで
私の顔を見ていた

「ココさんとは
どういう関係なの?」

「真琴にはどう見えてる?」

「恋人同士に見える」

「僕は恋人がいるのに
他の女性に手を出すと?
そういう男に見える?」

「わからないから
聞いてるの
男はみんな浮気をするわ」

「それは真琴のセフレの話でしょ?」

「瑛ちゃんだって」

「兄貴は関係ないだろっ!」

光ちゃんが大きな声を出した

低い声が
居間に響く

光ちゃんは息を吐くと
喉を鳴らした

「僕は真琴の口から
兄貴の名が出るたびに苛々する

みんな、僕を見て言うんだ

光ちゃんはいつもニコニコしてて
良い子ねえって
小さい頃からずっと…
何を言っても何をされても
僕が怒らないと思ってる

真琴だって
俺が怒らないから
嫉妬しないから
他の男と寝られるんだ」

光ちゃんの肩が
上下に揺れた

光ちゃんが怒ってる

こんな風に
気持ちをむき出しにする光ちゃん

初めて見たよ


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