アンバランスな恋心
「俺は会いたい」

「仕事が早く終わりそうなら…」

私は呟く
だって明日の心理状況は
明日になってみないとわからないでしょ?

一人で夜を過ごせそうなら
光太郎には連絡しない

不安でどうにかなりそうだったら
連絡する

光太郎は都合の良い王子のままでいて


お願い
恋愛対象になったら

私はどうしたらいいか
わからなくなる

「明日はホテルに行こう」

「え?」

私は顔を上げた
光太郎がハイネックの襟を
引っ張った

「キスマークなら気にしないから」

私の顔が熱くなった

光太郎の手を払って
キスマークを隠した

「知ってたの?」

「気づくでしょ、普通
露出度のある服ばかり着てる真琴が
ハイネックにパンツスーツだなんて」

「ごめん」

「なんで、謝るのさ」

「わかんないけど」

コンコンと助手席の窓が鳴った

私が視線を上げると
そこには
光ちゃんが立っていた
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