アンバランスな恋心
ソファにバイブの振動が伝わってくる

いつになったら
光太郎の攻撃が終わるのか

私は
じっと待った

ガラガラと
窓があく音が聞こえて
私は顔をあげると

光ちゃんが息をきらして
部屋の中に入ってきた

「光ちゃん」

「大丈夫?」

光ちゃんは私の肩を抱くと
背中を優しく撫でてくれた

温かい手が
私の背中に触れる

今まで我慢していた恐怖心が
あふれ出てきた

涙があふれてくると
嗚咽をもらし
声をあげながら

光ちゃんの胸の中で
大泣きした


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