あなただけを
「小夜はあんたのこともう好きじゃないって言ってんでしょ!!」
「でも、こいつが!!」
「この子は何も関係ないんだよ!!」
「はぁ!?」
「小夜おいで?」
突然すぎて目の前の言い合いにあっけにとられていると、女の方の口調が優しくなった。
そのあとすぐに集まったギャラリーの間から遠慮がちに女が一人出てきた。
「い・・いくぅ・・・」
「(なきそーじゃん。ってかこの人が小夜さん?)」
「やっぱ小夜から言わなきゃだめだって!」
「で・・・でも・・」
「もぉ~」
「ぅぅ・・・
吉田君?」
「あ?」