アンバランスな気持ち
「ココ、泣いていいよ」

『え?』

「僕の前で泣いてくれる?

我慢しないでいいから
ココの気持ちが落ち着くまで
ずっと一緒にいるよ」

『だって
スミレさんは?』

「そろそろ迎えが
くるんじゃない?」

『え?
迎え?』

「スーちゃんの恋人は
僕の兄貴だから

いろいろあって
付き合えずにいたけど

もう気にしなくていいみたいだから
兄貴が会いに来るはずだよ」

僕は人通りの少ない路地に
車を止めると

ココにほほ笑んだ

ココは
僕の胸に顔を
埋めると

大声で
泣き始めた

必死に僕の背中のシャツを
掴んで
ココは泣いた
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