【完】††Rising††
重たいバスの音が臓器にジンジン感じる。



「次は、ラストナンバー、"アルビレオ"です。」



爽やかに汗をきらめかせた龍治が曲を紹介し



俺は、よりいっそ気持ちをビートに込めた。



美恵の書いた切ない歌詞。



ラストナンバーに相応しい龍治の掠れた高音。



泣くように唸る礼治のベース。



俺は流れる星の輝きを記すかの如く音を出した。



足は、軽くなりすぎないようにツーバスを響かせる。



まるで、美恵の龍治にたいする大きな想いを示すかのように…



切なく、切なく…。
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