【完】††Rising††
最後は、全員の音がハコの中に吸い込まれた。
演奏が終わり観客から鳴り止まぬ拍手。
舞台裏に掃けるまでずっと響いていた。
全てが終わった瞬間
龍治の体のバランスが崩れ、倒れ込んだ。
「龍治!大丈夫か?」
「…成功、したな。」
弱々しく笑う顔。
虚ろだが満足感に満ちたその瞳。
「やっぱ、お前のドラムサイコーだわ。」
ふらふらっと伸びた拳。
その拳にゴツっと合わすと骨同士の固い音。
その音が、ライブの成功を思わせた。