【完】††Rising††
昨日の衝撃を体に残したまま
俺は電車に乗り込んだ。
あぁ…昨日の音。
あの『RED HOT』の音が
俺を衝撃から冷まさない。
おかげで昨日は興奮状態で眠れなかったっての。
俺はぼんやり電車の地面を眺めていた。
すると何時もの爆音が頭上から響いてきた。
今日は、BUMP OF CHICKENか。
俺は頭上の佐々原美恵に向かって瞳を向ける。
その視線に気づいたらしく、佐々原美恵がヘッドフォンを外した。
「おっす。」
「…あ、おっす。」
まさか佐々原美恵に挨拶されるとは思わなかったので
少し変な声で返事してしまった。