【完】††Rising††
「何その返事、灰島って変な奴。」



佐々原美恵は愉快そうにクスクス笑った。



コイツ、笑ってれば可愛いのに。



その林檎みたいに染まったピンク色の頬。



ビー玉みたいなくりっとした瞳。



華奢過ぎて抱きしめたら壊れてしまいそうな体。



…って、何考えてんだよ俺は。



俺は盛大な溜息をつき席を立つ。



胸板の辺りに佐々原美恵の小さな後頭部が来た。



「灰島、近い!」



あたふたする佐々原美恵を俺はさっきまで座ってたとこに座らせた。



「俺だって男なんだ。席くらい譲らせろ。」



あ〜っ自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
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