【完】††Rising††
体育館の玄関につくと出待ちらしき奴らがやって来る。



「あの!さっきのバンドの人ですよね!?」



「ベースの人を出して下さいっ」



ぐわっと集まる人だかりとキツイ香水の匂い。



ゔっとなりながらなんとか俺は口を開く。



「織田は家庭の都合上帰りましたから!」



そう言うとなんとかそこを摺り抜けて校舎の方へ早足になる。



「あの…。」



「あ゙〜!織田は帰りましたってのっ」



声をかけられて俺が振り返れば



そこには白髪混じりの優しげなスーツのおじさん。



「灰島太一君、だね?」



「は、はぁ…。」



このおじさん、まさかケーサツ?



俺、見た目はこれだけど、悪いことしてねぇよ!?
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