【完】††Rising††
もちろん、凄く嬉しい。



認められたのだから。



でも、俺だけ飛び抜けた才能があるなんて思わない。



龍治や礼治、美恵だって無限の可能性がある。



それに引き換え、俺の音には



多分、底があるんだろうと思えるんだ。



それなのに、俺だけ?



「とにかく、考えてほしい。」



田鍋さんはそれだけ言うと足早に去って行った。



「俺が、ソロで、ドラマーとしてだなんて…。」



何故だか、足に根が生えたかのように動けなくなった。
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